第玖話「決別」

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やおら機体横のキャビンドアが開き、固定装備された『ドアガン飛龍』の12.7mm重機関銃M2が火を吹いた。 〈ズッダァダダダッ──!!〉 音速の3倍の速度で発射された12.7mm弾の火線が、肉迫しようとした歳三たちの足元を襲った。 「ちぃっ」 飛び散る土塊に遮られ、慌てて飛び退く歳三たち。 『UH-60JA』に乗り込んだ信長率いる『戦国魔人衆』が、ホバーリングして上昇していく。 「コトノハ!」 空を掴み再び叫ぶ歳三だが、ヘリのけたたましい轟音で掻き消されてしまう。 マスターであるコトノを奪われた歳三に、マスターであるユウが傷付き共に吐血した総司。 『幕末新選組』の、完全な敗北であったー 決然と飛び去ったヘリを睨め付ける土方歳三は、鳥羽・伏見の戦いと同じような敗北感に身を苛まれていた。 第拾話「奪われて」へ続く──
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