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宮本武蔵のマスターは幼女だが、武蔵を喚び出す実験にされ正気を失っていると聞く。
そして織田信長──
マスターは信長の子孫だというが、自らの野望と欲望のためだけに信長は喚び出されたそうだ。
『戦国魔人衆』に愛は無い。
しかし土方歳三、琴、沖田総司、彼等『幕末新選組』には、其の愛とやらがあるのか?
琴のマスターを庇ったコトノハ、
マスターの危機に我を忘れた琴、
マスターが傷付き激怒した沖田総司、
仲間が傷付いたのを見て憤怒の表情だった土方歳三。
仲間が傷付くのが、己が身が傷付くが如く思うのが愛なのか?
『愛というものは与えられるものではなく、身を焦がし己が命を捧げ与えるものよ。それを忘れないで──』
エリザベータが最後に我に投げ掛けた言葉──
それは我を呪いし禁呪か。
それとも己が命に問い掛けるメッセージなのか。
今と同じく、幽閉されていたヴィシェグラード砦の白い壁を見ながら、12年考えたが答えが出なかった。
だが明日になれば──
明日になれば、其の答えが出るだろう。
エリザベータが最後に遺した言葉の答えが。
エリザベータに似た琴と闘うことによって。
その時、我は開放されるのだろうか?
ヴラドはいつしか、白い壁を見ながら思考の海に溺れていた。
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