第肆話「沖田総司」

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コトノは「ははっ」と苦笑いをしたが、部屋を見ると赤いライダースーツの女も一緒だ。 女の顔に見覚えがあるコトノはしばし考え、 「モデルの岩田ユウ、さん!?」 ユウと呼ばれた女は、ぺこりと頭を下げた。 グラマラスながらモデル体型の女は、グラマラスボブの黒髪に大きな眼が印象的なアジアンビューティーだ。その鋭い瞳は独特で、頑な強さを秘めていた。 岩田ユウといえば日本を代表するスーパーモデルで、日本人ながらビクトリアズ・シークレットのエンジェルにも選ばれている。 何故か、ユウは歳三に強い視線を送っている。 総司はポケットから板チョコを取り出し、ボリボリと食べ始めた。 「総司、なんだそりゃ?」 「この時代の甘味です。土方さんも食べます?」 「……いや、いらねぇ」 歳三は吐き捨てて言った。 「いや~、まさか宮本武蔵が出て来るとは思いませんでした~」 「おい総司、何でこの時代に武蔵が居るんだ! それにお前も何故!?」 歳三が詰め寄るも、総司は板チョコを食いながら思案顔だ。 「私もね、黒幕の正体は知らないんですよ。 でも、私の所にも検分役が来ました」 「なに!?」 「服部半蔵正成と名乗ってましたが」 「服部半蔵!?」 「うるさいので斬っちゃいました」 テヘペロと、舌を出し笑う総司。
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