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服部半蔵正成──
通俗的には忍者として有名だが、あくまで徳川家に仕えた武士である。
服部家の当主は、代々『半蔵』の名を世襲している。
正成は服部半蔵家の二代目で、徳川家康の麾下で活躍、鬼半蔵の異名を取る。
なお、皇居(江戸城)の半蔵門は、この門を警護した服部半蔵正成・正就父子の名に由来するという説がある。
「近藤さんや土方さんに断わりもなく斬ってしまいましたが、しょうがないですよね?」
そう言って、総司は歳三の顔色を窺う。
歳三は困惑の表情をしたが、話を進めることにした。
「……それで、お前はどうして現代に居るんだ?」
「土方さん、岩田コウを覚えています?」
「コウ……、近藤さんの養女だった娘か!」
「当たり、です」
総司が天真爛漫な笑みで答えた。
岩田コウ──
公卿中山家の侍医・岩田文碩の娘。
近藤 勇の養女であり、近藤周平の許嫁であったが、沖田総司に出会い、恋に落ちた。
コウは沖田に恋慕を告白したが、沖田が断ったために、短刀で喉を刺して自害を図るが未遂に終わる。
自害を図った騒動で世間体を気にした近藤は、仕方なくコウを大阪の藤村家に嫁がせたという逸話がある。
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