第肆話「沖田総司」

5/14
前へ
/216ページ
次へ
「そのコウがどうした?」 「あれっ、そのコウの子孫が、この岩田ユウなんですよ。 ユウがマスター(Master)で、私がスレーブ(Slave)です。 ところで、土方さんのマスターは、二人のお嬢さんのどちらですか?」 チョコを頬張りながら、総司はコトノとアサコをジロジロと見た。 「ちょっと待て、そのマスターとかスレーブって、一体何だ?」 「あれっあれっ、土方さん、どうやってリザレクションされたんですか!?」 「待て待てっ、またわからん言葉が出て来た!?」 歳三がいらつく。 「沖田総司さん、歳三さんはコトノのSDマシーンが原因で現れたようなんですが」 アサコがコトノを指して、総司に説明した。 「そのSDマシーンには、隠れた機能があるのよ。 それがリザレクション、または黄泉返しと呼ばれる召魂術よ」 初めてユウが口を開いた。 リザレクション(復活・蘇生)── または黄泉返しと呼ばれる召魂術。 SDマシーンの実験段階で発見された謎の現象だ。 本来SDマシーンは、リモートビューイングの軍事利用装置として開発された。 リモートビューイングとは、遠く離れたターゲットを第六感で透視する能力だ。 たまたま日本の開発者が、すでに死亡したエージェントの機密情報を遺族の能力者に透視させようとした。 その時にアウトプットである3Dホログラムデーターを、間違えてインプットで移送したら、死亡した筈のエージェントが復活したのだ。 それ以降、日本の上層部が密かに、国民を使ったリザレクション計画として、能力がある術者を探していたのだ。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加