第肆話「沖田総司」

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SDマシーンには、高負荷が掛かった場合、リザレクションが発動したとして、外部に発信する機能があるのだ。 喚び出す対象に強い執着を持つ術者── 喚び出す対象の念が宿った媒介物── そして、SDマシーンという術機── これら三つが揃って、初めて喚び出す対象が血肉を有した肉体となって蘇る、リザレクションが発現するのだ。 喚び出す術者をマスター(Master)、喚び出された対象がスレーブ(Slave)と呼ばれている。 むろん、誰でも可能な術ではなく、ある学者は魂レベルでの共振が秘密を解く鍵だと説明している。 またある学者は、術者の強い念がワームホールを発生させ、過去から対象を引き寄せると説明している。 いずれにせよ現象だけが確認され、そのメカニズムはまだ解明されていないブラックボックスなのだ。 「私は術者のユウと、岩田コウが自害に使った私の短刀を使ってリザレクションされた、という訳です。 迷惑な話ですけどね、でもコレで再び土方さんについていける。 今度は置いて行かないでくださいね」 そう言って、総司はニタリと笑った。 「……それで身体は平気なのか?」 「身体? ああ、結核ですか!?」 「そうだ」 「いやだな、付いて行く置いて行かないで、と言ったじゃないですか。 ええ、平気ですよ。コレで土方さんの命令で、また人が斬れますね」 満面の笑みで答えた。
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