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その笑みを見たコトノとアサコは、言い知れぬ怖気を感じた。
「そういうことでしたら、たぶんあたしは偶然、歳を喚び出してしまったのだと思います」
コトノが総司に説明した。
総司はコトノが「歳」と言った時、何故かピクリと眼を開き、驚いていた。
「ふ~ん、不思議だね、マスターとスレーブの魂は強い引力で惹かれ合っている筈なのにさ」
総司は、歳三の癖である爪先から頭の天辺まで見る動作を真似て、コトノをゆっくり見た。
「まぁ良いや、でも此処を早く引き払った方がいいよ。
また黒幕からの刺客が来るからね。
此処の居場所は、もうバレているからさ」
「そういえば、どうしてココがわかったの?」
コトノが尋ねたが、
「SDマシーンから外部通信したログが残っていた・・・黒幕の一味はSDメーカーの中に居るのね?」
アサコが指摘した。
「ご明察、かな。私達もその一味から土方さんの居場所を掴んだのさ」
総司が、またチョコを頬張る。
「だから、このユウの隠れ家に早く来てくださいね」
総司がそう言うと、ユウが名刺を歳三に渡した。
総司とユウが玄関に向かう途中で、クルリと総司が振り返り囁いた。
「言い忘れましたが、マスターが死ぬと即座にスレーブが消滅します。
コトノさんが死ぬと土方さんが消える、そんなの嫌でしょう?」
総司が喜悦の笑みを浮かべた。
「それでは土方さん、とお二方、お待ちしていますね」
手を振り、総司とユウは部屋を出て行った。
大排気量のバイクの音がして、低い音を轟かして去って行った。
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