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学校に出た陣平は、朝、久しぶりに塩浜と教室で顔を合わせた。
塩浜はビックリする。
「どうしたの?頭はスキンヘッドで、眉毛もなし、不良に目覚めて高校デビュー?」
「いや、焼けて無くなったんさ。」
「相変わらず謎な活動してるんだな。」
塩浜は深くは聞かず、
「そうそう、俺、空手部に入ったんだ。」
と、近況を話し始めた。
塩浜は陣平達が何か普通ではないことをわかっている。
それでもそこは詮索しない。
陣平が家に帰ると、安業寺ふみが来ていた。
まだ瀬織が帰ってないので、ドジコが相手をしていた。
陣平を見るなり、安業寺は、陣平の肩をつかんだ。
「どーしたの!その頭!
スキンヘッド?」
「禿げたんさ。」
「何だかわからないけど、顔も変わったかしら?ちょっと男っぽくなったかなあ?」
陣平は、ふ、と笑った。
「惚れてもいいぜ、お嬢さん。」
安業寺は、ふーん、と、陣平を眺めた。
「なんか、一皮剥けた感じね。
文字通り、剥けて中身が出てきたように見える。
いいわ、それ。ギラギラ感があって。」
陣平はへへ、と笑う。
安業寺が、思い出す。
「あ、あれさ、監督から採用が出たわよ!」
「あれってどれさ?」
「あなたの新型ヤルンダーの話を次のシーズンから取り入れる。デザインは楠木さんがやるよ。原案協力で、ヘンタの名前も引き続き入る。だんだんスタッフになってきたわ。きみ。」
楠木は、若手のメカデザイナーだ。
陣平は喜ぶのかと思いきや、
「そうなの。監督さん話せるね。」
と、それ以上は言わなかった。
「なによ、うれしくないの?」
「うれしい。でも、さびしい。
ヤルンダーJの形が変わるのはさびしい。」
「なるほど。でも、あなたの新型ヤルンダーJなんだから、そう考えれば?」
「そうだね。俺の戦闘力にも関わるし。」
「は?」
「いや…」
ヤルンダーJに出来ることは、陣平の霊服でもできる。テレビのヤルンダーJが強くなれば、陣平の霊服も強くなる可能性は高い。
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