1 ラブレター

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学校に出た陣平は、朝、久しぶりに塩浜と教室で顔を合わせた。 塩浜はビックリする。 「どうしたの?頭はスキンヘッドで、眉毛もなし、不良に目覚めて高校デビュー?」 「いや、焼けて無くなったんさ。」 「相変わらず謎な活動してるんだな。」 塩浜は深くは聞かず、 「そうそう、俺、空手部に入ったんだ。」 と、近況を話し始めた。 塩浜は陣平達が何か普通ではないことをわかっている。 それでもそこは詮索しない。 陣平が家に帰ると、安業寺ふみが来ていた。 まだ瀬織が帰ってないので、ドジコが相手をしていた。 陣平を見るなり、安業寺は、陣平の肩をつかんだ。 「どーしたの!その頭! スキンヘッド?」 「禿げたんさ。」 「何だかわからないけど、顔も変わったかしら?ちょっと男っぽくなったかなあ?」 陣平は、ふ、と笑った。 「惚れてもいいぜ、お嬢さん。」 安業寺は、ふーん、と、陣平を眺めた。 「なんか、一皮剥けた感じね。 文字通り、剥けて中身が出てきたように見える。 いいわ、それ。ギラギラ感があって。」 陣平はへへ、と笑う。 安業寺が、思い出す。 「あ、あれさ、監督から採用が出たわよ!」 「あれってどれさ?」 「あなたの新型ヤルンダーの話を次のシーズンから取り入れる。デザインは楠木さんがやるよ。原案協力で、ヘンタの名前も引き続き入る。だんだんスタッフになってきたわ。きみ。」 楠木は、若手のメカデザイナーだ。 陣平は喜ぶのかと思いきや、 「そうなの。監督さん話せるね。」 と、それ以上は言わなかった。 「なによ、うれしくないの?」 「うれしい。でも、さびしい。 ヤルンダーJの形が変わるのはさびしい。」 「なるほど。でも、あなたの新型ヤルンダーJなんだから、そう考えれば?」 「そうだね。俺の戦闘力にも関わるし。」 「は?」 「いや…」 ヤルンダーJに出来ることは、陣平の霊服でもできる。テレビのヤルンダーJが強くなれば、陣平の霊服も強くなる可能性は高い。
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