1 ラブレター

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ふと、陣平は思い付いた。 「あれもできるのかな。」 例により、安業寺は瀬織と飲んで、泊まった。 安業寺は深酒しすぎて、泥酔してしまった。 その真夜中、瀬織は安業寺を泊めた部屋の前に行った。泥酔していたので、心配して様子を見にきたのだ。 ドアの前で、中の気配をうかがう。安業寺の部屋からは、問題ない人の気配がある。 (おとなしく寝てるようね。) 帰りに、陣平の部屋の前を通り、足を止めた。 (あら?部屋の気配が…) 陣平の部屋からは、1人とは思えない気配がある。 防音装備なので音はわからない。 瀬織は気で感じている。 (? ということは、ドジコか、ナデシコか、スラリ、がいるのかしら?シズカはまさかね。よろしくやってるの? まあ、いいことだわ。) だが、気配が、違うことに気がついた。 (彼女達の気配とは違うわね。) 瀬織は、ドジコ、ナデシコ、スラリ、シズカの部屋の前を回り、気配で、彼女達が自分の部屋にいることを確認した。 (なら、だれ?) 瀬織は、ウォークインクローゼットから、聴診器のような形状の集音装置を持ち出した。 陣平の部屋のドアにそれをつけて、中の音を聴く。 かすかに会話が聞こえる。 「あ、そこ、あ、きたきた…」 陣平の声だ。 「こうですか?これなら、気持ちいいでしょ?」 「ああ、いい…さすがに俺の体をよくわかってるね。」 「まかせてください。なんなら、もっとよくしますよ、ほら。これなら…」 「うわ、あひー。」 瀬織は、眉をしかめた。 (これは…女がいる?嫁さん達ではない女だわ。どこかで聞いた声だけど…) トイレに起きた安業寺が、瀬織を見つけた。 「あー、何してんの?」 安業寺は、まだふらふらしている。 声も大きい。 「しっ!」 瀬織は、黙るように合図した。 安業寺は静かな声で、 「何?なんかあるの?陣平ちゃんの部屋でしょ?」 と、瀬織に聞いた。 「いや、その、何かあるっぽいので…」
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