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「うふふ、知ってるかしらー?アタシのパパー、バー「ビューティー KIYO」の社長さんなの。ちなみにママは超一流通訳さんなの」
この人もなんでこんなふうになったのか分かる気がする…。
親もそうだからか。
うちの親父もよく行ってる…。
バー「ビューティー KIYO」は女装した男しかいない。
でも、悩みを持つ人達にとっては救いの場みたいだ…。
理解できない。
「僕の父上は偉大なるベストセラー作家、西園寺昇竜なのだ!母上はピアノの先生をしてらっしゃるのだ!」
探偵さんの親父、西園寺昇竜って…。
俺はこの人の作品大好きだ。
パラレルワールドの話だが、現実味がありつい夢中になる。
探偵さんはきっと、シャ◯ロック・ホー◯ズが好きだったんだろうな。
「あっはっはっ!東城君、先輩達の親よりこのゆりあのパパとママの方が100倍、いや1000倍すごい!聞きたいだろう?聞きたいんだろ?」
櫻澤君、派手に笑うね…。
俺は思う、櫻澤君のナルシストな性格は一生治らないだろうと。
櫻澤君の親の片方はきっとナルシストなんだろう。
いや、両方かもしれない。
「聞きたいだろ!!」
真っ直ぐ俺を生き生きとした瞳で見つめる櫻澤君。
さっきからじりじりと近寄ってきてるのは幻覚だろうか?
「聞きたいだろ!!」
遂に、櫻澤君の顔が俺の顔、ギリギリのところまで来たので素直に答える。
「うん、聞きたーい」
ニッコリ笑顔で棒読みで、言ってやった。
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