廊下で優雅にティータイム?

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そうして探偵さんの横に俺は座った。 そして俺は絶句した。 紅茶紳士は紅茶を入れてくれた。 そこまではいい、いいんだけど…。 俺の前に差し出されたのはとてもいい香りのするアールグレイ。 ただ、アールグレイの入っている容器がティーカップではなく、ペトリ皿の上にのったビーカー。 「熱いうちに召し上がれ。よろしければ、茶菓子もどうぞ」 「はい、……これは、red see(レッド シー)のあの宇治抹茶ロールですか!?」 red see! red seeは有名な和菓子屋なんだよ。 なかなか予約が取れない。 俺が注文しようとしたときは十年待ちだった。 なのに、なんで…。 「ミスター東城よ、red seeの宇治抹茶ロールは僕のリクエストなのだ!ミスター春川先輩に任せれば、こんなのちょろいのだ!」 宇治抹茶ロール、探偵さんのリクエストだったんだ。 ……ミスター春川先輩って誰? 「そーだなー。貴美は脅すのうめーもん」 「あはー、確かにー」 「三条君、清川君人聞きが悪いですね。脅してません。ただ普通に交渉をしただけです」 ミスター春川先輩って紅茶紳士だったのか…。 最初は紳士に見てたけど、話聞いたら紳士にだんだん見えなくなってきた。 うん、普通の紳士はこんな格好しないよね。 紅茶紳士の格好、よく見たらヤバかった。 Yシャツじゃなくてフリル満点と言った感じのタイ。 ブレザーの袖からもフリル満点! ブレザーも薔薇の刺繍が満点! ヤバい、紳士じゃない。 改めてミスターフリルと名付けよう。
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