前向きに生きていくには、

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 去年9月、エコロジーの記事について講演した。初めてペンネームで公の場に出た。講演会だから雑誌には載せられない過激な本音を一時間半にわたってした。その後の懇親会で、「実際の川中さんは、随分毒があるんですね。読んでいる時は、前向きな性格だと持っていました」と女性にいわれた。数人が同意していた。少しショックだった。そんな風に見られているんだと思った。 雑誌に載ることはキレイごとばかりだ。本音と言いながら、愚痴を書いても削除される。「実物は毒舌です」と答えておいたが、どうもギャップがあるようだ。 「環境テキスト」を同時期に書き始めたが、これはこれで聖人君子の話だ。死を覚悟して環境問題に命をかけろというのがテーマで、「西暦2100年にあなたの影響はどこに残っているのか」を問いかける。 「大学レポート」という読み物を書き始めて2年目だが、これも定年後の生活の準備は、出来るだけ若いうちにした方がいいという啓発書だ。弱音など出さず、世の中の厳しさの中で、どう戦うかを示している。苦境にあることを認識してガンバレというキレイごとだ。こんなことばかりいっている人間の文章は面白くなさそうだ。もう少し自分のことを正直に書こうと思って、このエッセイを書き始めた。  愚痴を書くといっても、他人の愚痴を読んでくれる暇な人はいないと思う。私だって、そんな愚痴につきあいたくない。だから、愚痴や弱音というネガティブな感情をどうやって、克服していくかを書く。前半部分は愚痴だが、後半部分はキレイごとだ。要するに、一人で人生相談していると思ってもらえればいい。  酒を飲むと愚痴や昔話ばかりする先輩がいる。笑いの要素を削ぎ落として話すので、聞くに堪えない悲惨な話になる。そんな場合、私は大きな声を出して話題を変える。しかし、そういう人はどんな話題に対しても愚痴と昔話を持っている。未来に向かって、どう生きるかという発想がない。「最低な連中だ。」これは、愚痴ではない。発見した事実だ。対策は、一緒に飲まないことだ。一回の失敗は笑い話になる。何回も失敗するから愚痴になる。無論、職場の付き合いで必要だという側面もあるが、過去しか見ない連中とは飲まない方がいい。時間の無駄だ。
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