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｢――上だっ！｣
俺はあえて回避不能の空中への逃走を試みた
これは修業と言えども下手すれば命に関わる
修業というより実戦に近い
だからこそ実戦でしかわからない命の駆け引きなど精神的に成長出来る
そんな中、命を賭けて俺が試したかったこと
それは実戦においての成長だった
よくマンガやアニメ等で主人公が強敵に苦戦、又は敗戦してもそれを乗り越えて新たな能力を発現させるという、所謂お決まりのこと
だがそれはほとんどが主人公のその仲間、偶に実力の近いライバルなどくらいしかそういった『奇跡』は起こらない
『奇跡』とは起こらないから『奇跡』なのだ
恐らくあのクズは当然のこと、魔盲系主人公であるミル、そしてその仲間の立ち位置であるグレンやルエス等も起こるだろう
多く感じられるが、詳しくは知らないがこの国だけでも日本の人口は軽く超えているらしい
やはり『奇跡』なんてものは一握りのものしか起こせないものなのだ
じゃあ俺はどうなのか？
俺はあの主人公なクズの脇役ポジションである
その召喚に巻き込まれチートをもらい魔盲系主人公を助けながら帝になり学園へ通う
そしてその圧倒的なまでの力で主人公を逆転し今までの仕返しとばかりに侮辱し『勇者』として後ろ指指されながら生きていく
そんなテンプレ街道
俺はその上を真っ直ぐ歩けているのだろうか？
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