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数日後。
薄暗い鉄骨の剥き出しになった廃工場の中で、屈強な数人の男達に手足を抑え付けられた和弘は、目の前にある薪ストーブの側面に顔を押し付けられて悲鳴を上げていた。
衣類は全て剥ぎ取られ、髪は焼かれ頭皮の至る所に火傷した箇所がある。
ストーブから顔を離されると、焼けた皮膚が剥がれ、異臭を放った。
「くっせえ!」
それを見ていた唄子は鼻をつまみながら笑い声を上げる。
「唄子、俺が悪かった」
「じゃあ、罪は償わないとねえ。大人でしょ?」
唄子の手にはビール瓶が握られていた。
「大きいのと小さいの、どっちが良い?」
和弘が拒む毎にストーブで皮膚が焼ける。
「小さい方でお願いします」
唄子は手に持った瓶で和弘の頭を思い切り殴り付けた。硝子の破片が飛び散る。
「はい、小さい方」
鋭利な割れた瓶の先端が和弘の背後から捩込まれた。入る筈もない瓶は皮膚の裏側で更に欠け、どんどん奥に突き刺さってゆく。
「もう、許してください」
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