願望

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4月5日、私たち二人は美浜高等学校の校門に立っていた。 校門から校舎までの間は広場のようになっており、先輩たちが部活の勧誘をしていた。 「なんか緊張するね」 「凛、緊張しすぎだよ、さすがに堅すぎるよ」 「え、そんなに緊張してないよ」 そのとき、私は、右手と右足が同時に出るという、卒業式にありがちなことをしていたことは、後々朱里が教えてくれて気づいた。 そのときはさすがに顔から火が出そうだった。 入学式も終わり、ホームルームの時間、教室で担任からいろいろな説明を受け、今日は下校となった。 ちなみに朱里とは同じ14HRだった。 「明日早速先生に部活のこと言ってみる?」 「そうだね、早いほうがいいし」 「認めてもらえるかな」 「大丈夫だよ、凛の思いを伝えれば」 「そうだよね」 私たちは、電車で二駅の隣町から通っている。その帰り道、例の計画について話し合った。 翌日私たちは二人そろって、部活動仮登録書の用紙に、今は存在しない調理部と書いて提出した。 その日の放課後私たちは職員室に呼び出された。 そうなることは、ある程度予想していたし、無視されるよりは何倍もましだ。 「先生お願いします、精一杯頑張ります」 「先生も認めてあげたいのはやまやまなんだよ」 「じゃあいいじゃないですか、凛は本気ですよ」 「ただ先輩たちの中にも部を作りたい人たちがいてね、これを認めちゃうとみんなに泊めてあげないといけないんだよ」 「では、来年私たちが2年生になった時に新入部員が入らなかったら廃部って条件ではどうですか」 朱里は必死に食い下がっていた、私はもうなんて言っていいかもわからず、ただ立ち尽くすだけだった。 「でもねそうは言うけど、調理って大会とかも聞いたことないし、お遊び部活みたいになりかねないでしょ」
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