願望

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図星だった、いくら私たちが本気でやっても、来年入ってくる新入部員が真面目にやってくれる保証はどこにもない。 ただ実績を残せないわけではない。 現在スイーツは世間的にも話題を集めており、高校生でも年に2回スイーツ甲子園という、お菓子作りの全国大会が行われているて近年注目を集めている。 そのことを、朱里は長々と先生に語った。 しばらくして、さすがの先生も心が折れたのか。 「わかった、お前らの熱意は伝わった、先生から校長先生に頼んでみよう」 「ほんとうですか、ありがとうございます」 「でも決まったわけじゃないからな、ダメだったときは諦めろよ」 「「はい、わかりました」」 その返事に、職員室中の教師が、一斉にこちらを見ていた。 その後二回の会議の末部としての活動が承認された。先生にはどうお礼をしていいものか、とにかく『ありがとうございました』としか言いようがなかった。 「家庭科の先生に空きがあったので、顧問をたのみました、来年新入部員が入るまでは、大会の出場は認められないので、それまで腕を磨いてください」 校長先生から直々に言葉をいただき、晴れて美浜高校製菓研究会が始動した。
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