テンキョーパイオニア

わけあり物件

　これでお終いだ。どうだ、面白かっただろ？
　……そこまで面白くない上に、俺の技能が何か不明なままだって？　まて、まだ他の物件の話が沢山あるんだ！
　……なぜそんなに特殊な物件の話ばかりするのかって？　それは……。俺がそういう物件ばかりに住んできたからだ。
　そうだ！　俺は誰も住みたがらない｢いわくつき物件｣を開拓する開拓者なんだ！　それが俺の技能だよ！　開拓者だ。わかるか？　……じゃあパイオニアだ！　そう、パイオニア！　……違うよ、俺の名前の話じゃないよ。俺は｢テンキョーパイオニア｣なんて名前じゃないよ。……まぁ、そう呼びたきゃ好きに呼んでくれよ。
　俺はどんな｢いわくつき物件｣でも開拓してきた。つまり、俺はどんな環境にも適応できるんだ。どうだ？　それを証明するためにも、もう少し時間をくれよ。
　……そうか、じゃあ続けるぜ。
　ところであんた、俺の頬を叩いてくれないかい？
　……いや、全部夢かもと思っただけだ。