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彼の悲劇は幼少期に始まった。
まだろくに言葉を話せない彼に、魔王は言った。
「貴様の膨大な魔力と器をよこせ。さすれば我が汝に、従ってやろう」
魔力とは、人々が魔法を使う際に必要とするもの。
あふれんばかりの才能と資格を持っていた彼だったが・・・あまりにも若すぎた。
おかげで威圧感だけは魔王級の、
弱小魔法士が生まれたのだ。
使えるのは、余った器で従えた子鬼の力のみ。
それもフォークを生み出すという魔法だけ。
「ぬぁっ、殺す気か!」
「ふははぁっ!さっさと死んで器を差し出せばよいのだ!」
果たして彼は、青春を謳歌できるのだろうか。
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