【白昼夢より】(短編)

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「ったく…何なんだお前は。 占う為に空を見上げたかと思ったらつっ立ったまま固まりやがって。 いつもとは違うから寝ているのかと思ったぞ。 やる気あるのか?」 「それはすみません。 もちろんやる気ありますよ? (眠って…?はて?)」 浅夏さんに起こされるまで気付かなかったのか眠っているという感覚はなかった。 妙に現実味があったので白昼夢でも見たとでもいうのか…。 それがどういう意味なのかか気になりそちらに集中しようとした時、早くしろ、と彼の促され事により夢のことは霧散していき意識は星詠みへとシフトし再び空を見上げ集中する。 「……で?そういえば対価は決めたのか?」 目的地へ向かう途中、そう彼が聞いてきた。 「そうですね…あぁ、では、これから先、先程の様にボクがまた白昼夢を見ていたら叩き起こしてくれませんか? あと……ボクが危険だと言った時はその“選択”はしないでください。 …決して危険な事だけはしないでください…」 正直そんなもの(対価)はいらなかったのだが、断った所で彼はそれを良しとはしないとわかっているので、ボクがそう彼に望むと、『なんだそれは』と呆れ、ため息をついた― ―了―
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