-美優の時間-

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土曜日はさすがに見学が少ない。 でも・・・あの目はあるのよ・・・ ま、いいや。 諒がいれば大丈夫だろうし。 アップして、始まる部活。 このバッシュが鳴る音が結構好きだったりする。 オレンジのボールが空を舞う。 空中戦だけは誰にも負けたくない。 予選会に向けて、練習も厳しくなる。 やっぱ土曜日はきつい。 マネージャーが用意しているタオルと飲み物がありがたい。 でもやっぱり……… ぐったり・・・・・ シャワーあびなきゃ電車も乗りたくない。 「お疲れ様でしたー」 あーもうシャワー! 浴びなきゃいられない。 あーでもその前に携帯携帯っと。 諒から連絡が来るようになってから、携帯をチェックすることが多くなっている気がする。 あ・・・・ 諒からの連絡が入っていた。 駅で待ってるのか。。。 どんだけ寝てるのよ。 なんかかわいい♪ 返信しよっと。 【わかったー。駅にいてね】 携帯チェックしてよかった。 見逃してたら大変だった。 点呼して挨拶しておしまい。 先輩たちがざわついてる。 「美優!今日はいないの?」 わっ。なにその見学決定みたいな。 「え?あ、はい。今日は駅で・・・」 うっわー。 そんなにニヤッとしなくても…… 「美紀。帰ろう」 「うん。」 坂道を歩く私たちのうしろは、相変わらずの状態で・・・ くっつかれないだけ歩きやすいけど。。。 坂道を抜けて、東口に入る。 改札の前に見慣れたシルエットがいた。 「なんかさぁ、かっこいいよね。」 「はい?」 美紀から見ると諒ってかっこいいの? 「諒くん立っているだけでかっこいいじゃん」 「そお?」 「美優の基準がわかんないよー。あんなにかっこいいのに」 かっこいいのか。 んーわからん。 「じゃあね。美優」 あぁうん。 美紀は諒の前を通るとき、なんか言っていた。 なんだろう? 諒も笑ってるし・・・ 私に気づいた諒が、手を上げた。
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