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- 最終日 -
- 美優 -
眠れなかった。
寝たんだろうけど、寝た気がしない。
今日で全部終わるのかな。。。
あの子納得したのかな。
明日から急に諒がこなくなったら、なにか言われるだろうな。
どうやってごまかそう・・・
あぁ、「諒」って呼ぶのも、今日で最後かー。
とりあえず学校行かなきゃ。。。
最近は学校でもそんなにくっつかれなくなってきた。
これも全部諒のおかげなんだと思う。
ま、でも考えてても仕方ないよね。
うん!
結構切り替え早いな私。
「あれー?美優が起きてる-!」
「起きてちゃそんなおかしい??」
「うん。」
うんって・・・
「なんかあった?」
あぁやっぱりばれてる。
「なんかあったわけじゃないよ。今日で最後なだけ」
「あ・・・」
そんな固まらなくても……
別に固まることじゃないのに・・・・
「どしたの?美紀?」
「えっ? いや、なんかさぁ、うん。」
「なに?」
「んー。本当に終われる?」
え?
いや、終わりだよ。バイトだもん。
「うん。終わりだよ。バイトだもん。これ以上迷惑かけられないしね」
さすがにもう申し訳ないし、バイト代ももう払えないもん。
「そっか。」
「うん。後は自分でなんとかするし。」
「なんかあったら言ってね。」
「ありがと」
◇
放課後。
美紀と駅まで帰った。
「駅にいるの?」
「うん。たぶんね」
今日は諒から連絡がなかったから、ホントにいるのか心配だったけど、見慣れたシルエットがそこにはあった。
「いたね。じゃあお先に!」
「うん。またねー!」
え?なんで美紀が諒に近づくの?
なんで美紀が?
どうして美紀が、諒としゃべっているの?
美紀かわいいから……
コレをチャンスにって??
ってゆーか、なに?なんで私そんなふうに思うの?
こんな気持ち・・・私は知らない……
諒もあんなに真剣な顔しちゃってる。
あ、美紀行っちゃった。
行かなきゃ。
今日の諒は制服のままだった。
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