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諒との時間が終わった。
次の日も、その次の日も、駅までは美紀と一緒で、その後は1人で帰る。
なんだかちょっと寂しい気がするのは気のせいなのかな。
「美優先輩?なんで1人なんですか?」
きたー。あの子だ。
「ん?別にいいでしょ。」
「だって・・・あれだけ迎えにきてたのに。。。」
あぁやっぱりそうきたか・・・。
だよねぇ。でももう諒には頼れない。
「私たちには、私たちなりの時間があるの。諒にだって、諒の時間がある。ずっと一緒にいるだけがすべてじゃないよ」
「そんなのわっかんないですぅ。好きなら一緒にいたいって思うんじゃないんですか。」
「それはあなたの価値観でしょ。」
イラッとするわー。
自分の気持ちばっかり。
こっちは試合近くてイライラしてるのに・・・
ったく・・・
◇
土曜日・・・・
最終調整。
日曜日の試合に向けて、軽くチェック。
この試合落とせない。
「先輩。」
うわー。まただ。
「なに?」
「あのぉ・・・」
ったくなんだよ。
「なに?」
「明日の試合頑張って下さい!」
あら普通。
「あぁ。ありがと」
珍しく普通じゃん。逆に怖い。あれだけ言い寄ってきてたのに…
「試合に負けたら、先輩のこと諦めますから。でも勝ったら、私とキスして下さい」
「・・・・・・はぁ??」
やっぱり普通じゃないじゃん!
もういいかげんにして。
負けろってこと?
そんなこと出来ない。
でも勝ったら・・・って・・・
勝ちたいけど、キスは嫌。
なにその条件・・・
でも顔が本気だった。
うそぉ。
どうすんの?
「美優?どした?」
美紀が呼んでくれた。
あぁここから逃げられる。。。
このまま返事もしないで立ち去る。
もう無理。そばにいないで。
それにしても、タイミング良く呼んでくれて助かった。
「助かったー。ナイスタイミング」
「違うわよ。ヤバそうだったから呼んだの」
あらそう。
あいかわらず感の鋭いことで…
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