ライバル

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俺はゴスロリな死神から奈央のイジメと病気の話を聞いて落胆していた。 奈央…今、どうしてんのかな。謝りたい、とりあえず、今までの事、謝って、ありがとうって一言でいいから感謝を伝えたい…。 『なぁ、俺、彼女に会って最期に一回、話がしたいんだけど』 ゴスロリが入力を始める。 『それくらいならいけると思いますよ~。ねぇ、課長。…送信っと。』 『はい、夢枕にたつとか前例も多くありますから大丈夫かと。』 【ピンポーン】 『ほら、許可でました!…アレ?』 どうした?ゴスロリ。 『課長、見て下さい。条件つきです。』 小太りが画面を覗きこむ。 『ははぁ…これは、これはちょっと面倒な…』 条件付きって何だ?ってか、そっちの手違いで死んだのに何を条件とか付けてきてんの? 小太りがまた額の汗を拭いながら、説明し出す。 『あのですねぇ、どなたか生きてる方の体を借りられたらお話出来ると言うことです。』 『要は、のりうつれって事!』 『何だそんな事?』 もっと難題をふっかけられるのかと思ったら、意外と普通。すると小太りが資料をペラペラ捲りながら言った。 『但し、お借りする体の持ち主様の許可が必要です。どなたか快く引き受けて下さる、ご家族かご友人は居られますか?』 ご友人?…居ないなぁ。 ご家族は…ムリだなぁ。 やっぱ難題。 『この人なんかどうですかぁ?』 ゴスロリが見せてきたタブレットの画面には車を運転する男が映し出されている。 『…誰コイツ?』
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