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机から梃子でも動かないと、しがみつく南野兄。
窓辺からは確かに、カーテンを開けた保健室が良く見える。
南野兄の席の角度からなら俺が机に向かう姿が見えるようだ。
――ここから見られてたのかと思うと寒気がする。
「お前、やってる事と言ってる事は滅茶苦茶ですし回りも俺も迷惑です」
「好゛き゛な゛の゛に゛ギズじだら駄目゛な゛んでずが! どまらない゛ん゛でず!!!」
「お前っ」
回りの生徒を見回すが、鼻声過ぎて、唸っているようにしか聞こえてないようだ。
ビビらせやがって。
「兎に角、ここに居たら他の生徒に迷惑だから立て」
「でも゛保健室に゛は゛入゛れ゛ま゛せ゛ん゛!!」
あああ。苛々する。
熱で思考がショートしてやがるのか。
熊用の鎮静剤でも打ってやりたい。
「お兄ちゃん、先生に夢中なんだね。嫌われるような事したんだ?」
またこのくそチビは余計な事を。
「ずぎでず!」
ざわっ
その言葉だけはまともに聞こえたらしく、生徒たちがざわめきだした。
嗚呼、面倒臭い。
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