十一粒 挑戦 ー加賀美ー

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「はぁぁ!?」 珈琲をひっくり返しそうな勢いで立ち上がると、珈琲を受け止めてくれた。 ありえない。 てか俺はホモではない。 「違うの? じゃあ何でそんなに傷ついてるの?」 「――だ、だからそれは、その、先生として理想としていたからで」 ごにょごにょと理由を呟こうとするが、上手く自分の気持ちを説明できない。 「君ね、明るい高校生活じゃなかったから自覚するのは難しいよね」 「……明るい高校生活では確かに無かったですが……」 「気持ちってね、止まらないんだよ。その坊主にした少年は調教が必要だけど、暴走する方向は間違いはないよ」 ちょ……? てか……そんなはずはない。 「拒絶するのは簡単だよ。でも君はその彼を受け止めてあげた事はあるの?」 「なんで檜山を?」 「彼は君を受け止めようとしてるのを、君は胡座かいて甘えてるだけじゃない?」 俺が甘えている? 檜山に? 「ふむふむ。本当に分かってないんだね」
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