十二粒 嫉妬 ―檜山―

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「――そうですね。俺は血迷っても未成年には手を出しませんよ」 「そんなに牽制しないでよーう。せんせーは僕の純情な気持ち、傷つけないで?」 甘ったるい声、誘うように体をくねらせて、頬を染める。 女性だったらまだ少しは反応できたかもしれない。 慣れた女性に翻弄されたり上に股がられるのはそう悪くないから。 ただ余りに幼い少年に、慣れた女性のように誘われると興醒めだ。 ユーリなら恥じらってツンツンして、それが可愛いだろうし、 加賀くんなら誘い方も分からず、もじもじ真っ赤な茹で蛸になりそう。 まぁ先生という立場上、生徒ととういう関係にもなるつもりはありません。 「うーん。学校の中じゃ先生って隙がなぁーい。ねぇ、お家に行ってもいい?」 「駄目です。彼女が来ますので」 友達の妹の薫ちゃんが、好きな子にフラれたからと夜な夜なお菓子を持って愚痴りに来るから鉢合わせは面倒だ。 「彼女? 加賀美せんせーは?」 「親しい同僚です」 と言ったら、聞いたユーリがまた臍を曲げないか心配だけど。
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