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「あのせんせー、プライド高そうだし冷たいのに仲いいのー?」
「南野くん、そろそろ面接練習ですから帰って下さい」
「身持ちが固そうだもんね。ね、せんせー。僕、口とかうまいよ?」
舌で唇を舐めながら、テーブルを跨いで近寄る。
だから逆効果だと言うのに。
今は頭の中にはユーリしか入れない。
そんな事言われても興味がない。
ただユーリなら、惚れたら嫌々真っ赤で半べそかきながら蹲ってやってくれそうだ。
屈辱だと言わんばかりに睨まれたら、愛しくて抱き締めてしまいそうだ。
「――興味ありません。ほら、出た出た」
「あ、お兄ちゃん、肺炎だったから加賀美病院に3日入院だよ」
「ええ。静かで寂しいですが安静にとお伝え下さい」
はだけたボタンを留めて、ネクタイをキツく結んだら進路指導室から廊下へ放り投げてやった。
南野兄も弟も、癖がありすぎて本当に手がかかる。
やっとユーリとの距離が一センチは近づいたんだから、邪魔は本当に止めてほしい。
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