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「そんなの僕が欲しい答えじゃないもーん!」
「俺は君の先生になりたいが、恋人にはなりませんよ。さ、気を付けて帰って下さいね」
営業スマイルで強く拒絶したら、南野くんの表情がフッと変わった。
「あの加賀美って3年生が告白しても、そんな態度で追い払えるの?」
「そうですね」
「あの3年生が極地に立たされても先生としてしか助けないの? 王子さまみたいに助けない?」
「はい。言ってる意味は分かりかねますが王子さまにはなりません。君も、真面目な恋愛をしなさい。またお兄さんが泣きますよ?」
「お兄ちゃんは関係ないもん」
埒があかない、終わりのないやりとりに苦笑しつつも、パタンとドアを閉める。
そこまで俺に執着するのは、あの朝たまたま助けたからなのか。
だが、どうしても生徒は生徒でしかない。
面倒だとさえ思ってしまう。
俺はまだ上手く逃れられるが、不器用なユーリはまた南野兄くんのようになるかもしれない。
しかも。
彼は女の人が苦手で克服が難しそうだ。
もし恋愛のリハビリをする時、その相手は『男』だけになるんじゃないかな。
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