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一目で分かる。
加賀くんの目は甘く蕩けて、雨宮を見ていた。
恋をしているのは明らかだ。
最近、加賀くんが落ち着きなかったり授業中居眠りしたり、差し入れの甘い物を忘れたり、英語のテストが悪かったりしたのは、
全部全部、このせいなのか。
学生の恋は、甘い甘いケーキのよう。
回りが見えず、相手の一言や行動に一喜一憂する。
少し胸がチクチク痛む。
冷たくあしらってしまった楪くんも、こんな甘いケーキのような恋をして欲しいと。
みんな平等に幸せになって欲しい。
その為に、変わる努力をして欲しいんだ。
ついつい車に乗り込むと、ユーリに電話をかけてしまった。
見つめあう二人が羨ましくて。
何コールかして面倒そうに電話に出てくれたユーリ。
『お前、今どこに居るんですか?』
可愛いげのないツンツンした声も可愛いとさえ思ってしまう。
「今から帰るところです」
『ふぅん。……あのさ、明日は暇ですか?』
「え?」
『滝澤教授が親睦を深めるならホラー映画を観るべきだと言ってるんだが』
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