十二粒 嫉妬 ―檜山―

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「…………」 『忙しいなら別にいい。俺もホラーは特別好きではないし』 「……そうではなくてですね」 なんで自分から危険な行動を起こすのかが分からない。 ホラーなんて、真っ暗にして観るのだから。 吊り橋効果だってあるかもしれないのに。 というか俺はあんなにストレートに好きだと告白してるんだから、そんな挑発的な行動は避けるべきなのに。 『何ですか』 明らかにむっとした口調に変わるユーリ。 ただ単に、本当に友人としての親睦を深めたかったのかもしれない。 ユーリから来るだけでも一歩全身だ。 「勿論です。でも、ユーリの家は駄目ですか?」 『俺の家!?』 「はい。俺はユーリに惚れてるので部屋でムラムラしてしまうといけないのでユーリの家が良いです」 チクチクと理由を述べながら優しく言う。 だが本当はもっと慎重に行動しろと説教したくなる。 『良いですけど、実家だから兄やら父やら母やらが居るかもしれなくて……』 「構いません。居てくれた方がユーリも安全です」
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