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「でもまぁ、お前が強面のおかげで保健室に女どもが近寄らないからそれは助かってますよ」
「……嬉しくないっす」
「お前、俺の命令を何でも従うなら今までの事を大目に見てやってもいいぞ」
「ユーリ!」
「「「裕璃!」」」
「――何ですか?」
不機嫌そうにムッと唇を尖らせた後、俺らを睨み付ける。
ユーリは駄目だ。せっかく遠ざけた獣をまた誘き寄せてる。
危機感0だ。
「パシリならいつでも声かけて下さい! 俺、先生のパシリなら10秒以内に行きますんで!」
「まぁ良いです。じゃあ立ち入り禁止だけど俺が呼び出したら入れるって事で」
嗚呼、ユーリは気づいているのだろうか?
自分から人を受け入れるのは、南野兄が初めてだと。
俺は成り行きで懐に忍び込んだだけなんだし。
「なぁ、檜山さん。うちの弟、ブランデー飲んだ?」
耳元でそう質問され先程起きた時を思い出す。
そう言えばグラスの中にブランデーが入っていた気がする。
もしや。
「酔うと機嫌が良くなるんだよ。命拾いしたな、彼は」
いやいやいや。
ユーリ、俺には機嫌悪かったですよ?
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