十四粒 反省 ―檜山―

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「何ですか?」 「――来週は保健室に近づかないんですよね?」 あ。 さっきの膝枕の条件、覚えてたのか。 「ええ。約束ですからね」 「……そんな程度か」 ぼそっとユーリが呟く。 その意味が分からなくて首を傾げると不機嫌そうに睨まれたが、すぐにユーリもドアの方へ歩き出す。 「まぁお前が居ない1週間は、パシリがいるから問題無いですけど……」 そう、言いながら。 まるで俺の存在を否定するように。 「ユーリは俺が居なくて大丈夫なんだ……」 「は?」 『俺は寂しい1週間になりそうです』 そう情けない言葉を言おうとして止めた。 さっき高校生に嫉妬したばかりだ。 余裕のない自分を見られなくて、笑って誤魔化す。 気持ちはなかなか近づいていかない。 せっかく近づいたと思ってたのに、離れていくのは何でだろう。 「1週間、甘くない保健室になると思うと嬉しい……です」 そうユーリも嬉しくなさそうに笑った。
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