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「――あの熱血教師ですよ? 君のお兄さんに1回チャンスをあげたあの教師ですよ?」
庇わないわけがない。
「まぁ、でも特別なら表情で分かるんだもん。ちょっと興味ない?」
こいつ、この前まで俺に苛々してたはずだけど?
本当にコロコロ態度を返るんだから面倒くさい。
「ない。全くない」
「えー。一緒に見に行こうよー。よー。ねー?」
「友達もいないんですか?」
「せんせーも居ないくせに」
人を苛々させるのが上手い奴だな、と思いつつも無視していると、南野弟はにやりと笑う。
「じゃあ、放課後覗きに行こうね」
勝手にそう言って保健室を出ていく。
――面倒だと悪態を吐いたが、一週間俺に会わないで余裕の檜山を見たら苛々が収まるかもしれない。
滝澤教授が面白がる展開なんて、何も起こらないんだと。
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