十五粒 嫌がらせ ―加賀美―

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「でもあの3年、恋人がいるからせんせーは報われないね」 「……乗り換える尻軽も居るでしょう?」 「せんせーは優しいから言わないんじゃない? もし加賀って人の恋人がせんせーの友人とかならせんせーは言わない。加賀に伝えない」 確かに。 あの変に真面目で教師としてプライドが高い檜山だ。 思いは告げないだろう。 それどころか、他に目をやるかもしれない。 あの子を忘れる為に、あの子以上に世話のかかる面倒臭い奴をターゲットにしたりして。 「…………」 檜山は何事も無かったように面接練習を終わらせてこちらに向かってきた。 カーテンを閉めて鍵を閉めると、俺たちには気づかないまま進路指導室を出ていく。 「僕ね、加賀美せんせームカつくから嫌いだったんだけどね」 「それはそれはありがとうございます」 ツンとそっぽを向くが立ち上がれない。 ちょっと意外とショックだったらしい。 「でも檜山せんせーは加賀美せんせーも気に入ってると思ってたんだけど」
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