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「お前には関係ありません!」
キッと睨み付けると、突き放されたのがショックなのか悲しげに瞳を揺らすと、グッと両手に力を入れる。
「心配ぐらいさせて下さい! 資格はないけど、これでも先生が好きだったんですから!」
「…………」
散々しといて何を今さら格好つけるつもりかと思いつつも、本当に心配げに言われたら上手く悪態が吐けない。
「眠れてないのは、檜山先生が保健室に来ない件が関係ありますか?」
「――早く部活に行きなさい」
「俺、檜山先生の代わりのパシリでも、こうやって先生と話ができるのは嬉しい! 漸く先生をちゃんと見れてる気がする!」
従順な犬でいればいいのに。
だから南野兄は好きではない。
ガンガンガンガン突っ込んでくる。
「先生も自分を見るべきだっ 知るべきだっ 先生、今、酷い顔してるっ」
……ぐるぐるする。
気持ち悪い黒い感情が喉から混み上がってくるような。
酷い吐き気がする。
「先生!」
今は吐き気と戦うために、南野兄を無視するしかなかった。
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