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職員会議でちらりと見えた檜山は、いつもと変わらない真面目な男だった。
こちらをチラリとも見ない。
だから俺も見ない。それで良いはずだ。
職員会議が終わってすぐに帰る。
顔色が悪いなんて馬鹿にされたから、早めに寝よう。
キュポンッと瓶の蓋を開けて薬を取り出す。
眠れない日は、一粒ずつ増やしていく。
今日は3粒。
眠れないなら4粒。
不安や恐怖で魘される事が多くてぐっすり眠る為に処方されたこの薬。
それを今は現実から逃げる為に使っている。
確かにスッキリさせるべきなのかもしれない。
ブランデーを飲みながら薬が効いてきて、朦朧とした意識の中でメールを認める。
『一週間と言わず、来週からも保健室には来ないで下さい』
そう送信した後、アドレスを変えた。
薬の匂いは甘くない。
ブランデーに溶けて苦い苦い苦い。
甘いケーキのような香りってどんなのだろうか。
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