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「お前、約束も守れないのか」
保健室に1週間近づかない。
そう約束したのに。
「ユーリが逃げるから」
じりじり近づいてくる檜山は、いつもの真面目な優等生の表情ではない。
眼鏡の奥がギラギラと光っている。
怖い。――怖い。
どうしたら檜山は俺じゃなくて、違う人を身代わりにしてくれるだろうか。
あの三年の身代わりを。
「煙草……、職員会議で言わなかったですね」
「――!?」
「この前飲酒が見つかった三年は推薦が取り消しになったのに」
「なんで煙草の事を……」
聡明な檜山はすぐに、大切なあの三年の事だと気づいた。
それさえも苛々する。
「俺と同じ煙草の銘柄じゃなかったですか?」
俺は檜山を妖しく笑って挑発した。
俺を軽蔑すればいい。
それで冷めて消えてくれたらいい。
「貴方の仕業なんですか? ユーリ」
カツカツと足音を立てて近づく檜山。
カーテンから差し込む光で表情が見れない。
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