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そう手の甲に口づけをすると、食事を取りに部屋から出ていく。
甲斐甲斐しく世話をしようと企んでいるようだが、俺はこれ以上一緒に痛くない。
心臓が壊れてしまう。
ふらふらと立ち上がり、扉の鍵を閉めようと手を伸ばす。
「何してるの?」
「!?」
寸前で檜山がドアを開けたので慌てて押す。
「あ! こら! 鍵を閉めるつもりですね!」
「う、うるさい。帰れ! 帰れー!!」
御盆を両手で持ってる檜山と、ふらふらな俺。
力関係は同じぐらいかと思っていたのに、簡単に開けられてしまった。
――くそっ
「そんな照れるユーリも可愛いけど」
「照れてない!」
「あんまりつれないと意地悪しますよ?」
檜山が妖しく笑うとサイドテーブルにお粥を置く。
「食べさせてあげます」
「嫌です!」
「じゃあ一口嫌がる度に、キス、します」
「!?」
「俺とキスがしたいなら残して下さいね」
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