十七粒 恋情  ー加賀美ー

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そう手の甲に口づけをすると、食事を取りに部屋から出ていく。 甲斐甲斐しく世話をしようと企んでいるようだが、俺はこれ以上一緒に痛くない。 心臓が壊れてしまう。 ふらふらと立ち上がり、扉の鍵を閉めようと手を伸ばす。 「何してるの?」 「!?」 寸前で檜山がドアを開けたので慌てて押す。 「あ! こら! 鍵を閉めるつもりですね!」 「う、うるさい。帰れ! 帰れー!!」 御盆を両手で持ってる檜山と、ふらふらな俺。 力関係は同じぐらいかと思っていたのに、簡単に開けられてしまった。 ――くそっ 「そんな照れるユーリも可愛いけど」 「照れてない!」 「あんまりつれないと意地悪しますよ?」 檜山が妖しく笑うとサイドテーブルにお粥を置く。 「食べさせてあげます」 「嫌です!」 「じゃあ一口嫌がる度に、キス、します」 「!?」 「俺とキスがしたいなら残して下さいね」
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