十七粒 恋情  ー加賀美ー

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むかつく。 なんでこんな奴を『  』だとか思ってしまうんだ。 「睨んでも駄目。逆効果だよ。ほら、そんなに見つめないで」 「??!!」 「……お願いだから、早く良くなって」 そう切ない目で懇願されるとこっちが悪い気になってくる。 悪いのは、お前なのに。 「自分で食べます」 「駄目」 「スプーンを渡しんっ」 無理矢理口にいれられたのは、温くなったお粥。 食欲もないのに、強制的に喉に入れられた。 飲み込みたくないと喉は拒否するのに。 するりと溶けて流れていった。 「ふふ。良くできました」 嬉しそうに俺の唇を拭う檜山は、頬に軽くキスをしてきたので、すかさず平手打ちしてやる。 「暴力反対!」 「食べても食べなくてもキスするなんて卑怯です!」 お粥を奪うと、今だ熱い体で重い手を動かす。 「出ていけ、この変態くそ眼鏡!」 「なっ 恋人なんだから良いじゃないか!!」
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