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後を継ぐ。
それは俺の夢でもあるし、尊敬する父のようになりたいとも思う。
「けど、こうも比べられてばっかだとなー」
苺大福をつんつんしながら溜め息を吐くと、お箸をぴたっと止めたユーリが此方を見る。
「溜め息、俺まで萎えるんですけど」
「……ちょっとは心配してよ」
2日ぶりのユーリがお弁当を食べているのに安心した。完全に復活したみたい。
うん。白い肌が艶々して美しく戻ってる。
それに。
保健室で、向かい合ったソファに座りお弁当を食べるのも嬉しい。
前はディスクに向かって黙々と食べていたのに。
今は俺の目の前まで移動してくれるなんて。
そんな小さな変化さえ愛しい。
「何かあったんですか?」
仕方なく、興味はないけど聞いてくれた。
「うーーん。七光りの壁かな」
「ああ。面倒ですよね。俺も加賀美病院のご子息じゃなきゃこんな所呼ばれなかったのに」
忌々しくユーリは言い放つ。
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