十八粒 その味は。 ―檜山―

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後を継ぐ。 それは俺の夢でもあるし、尊敬する父のようになりたいとも思う。 「けど、こうも比べられてばっかだとなー」 苺大福をつんつんしながら溜め息を吐くと、お箸をぴたっと止めたユーリが此方を見る。 「溜め息、俺まで萎えるんですけど」 「……ちょっとは心配してよ」 2日ぶりのユーリがお弁当を食べているのに安心した。完全に復活したみたい。 うん。白い肌が艶々して美しく戻ってる。 それに。 保健室で、向かい合ったソファに座りお弁当を食べるのも嬉しい。 前はディスクに向かって黙々と食べていたのに。 今は俺の目の前まで移動してくれるなんて。 そんな小さな変化さえ愛しい。 「何かあったんですか?」 仕方なく、興味はないけど聞いてくれた。 「うーーん。七光りの壁かな」 「ああ。面倒ですよね。俺も加賀美病院のご子息じゃなきゃこんな所呼ばれなかったのに」 忌々しくユーリは言い放つ。
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