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「ただ、俺はお前が結婚したら祝福できるか不安です……」
ぎゅっと抱き締め返すと、急に檜山の身体が離れた。
「!? 俺はユーリが居るのに何で結婚するの!?」
「地位ある奴は結婚するもんじゃないですか?」
滝澤教授だってゲイよりのバイだったのにお見合い結婚してちゃんと奥さんと仲良くしていた。
死別するまでは浮気もしなかったのか見つからなかったのか知らないけど仲むつまじかったし。
「俺に、結婚しろって言いたいの? じゃあユーリは何!? 愛人!? セフレ!?」
「そんな声を荒立てないで下さい、俺は」
ガッ
いきなり座席が倒れて、俺はそのまま檜山の目を見ながら倒れていく。
シートベルトでうまく身体が動けず、もぞもぞする俺に、檜山はのし掛かってきた。
「こんなに俺は好きだと言ってるのに、一番にはなってくれないの?」
「檜山?」
「言って。ちゃんと言って」
苛立った檜山は、俺の唇にゆっくり触れた。
「『俺は浩二の恋人』だって言って。言葉にして」
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