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「分からないよ。でも俺に結婚しろっていうユーリの気持ちは分かりたくない」
「………そうですか」
そう突き放されたらなんだか惨めな気持ちが沸き上がる。
だって男同士なんて、さっきのクソガキ共が言った通りじゃないか。
生産的じゃないし、うちの馬鹿な親たちみたいに寛容な人間なんてそう居ない。
檜山の足枷にしかならないんじゃないか。
恋愛に前向きになれないのは俺が未だにトラウマを持っているからかもしれないが、
檜山へ真っ直ぐに気持ちを伝えられないのは、きっと色んな壁や状況が邪魔している。
まぁ檜山が調子に乗るから言いたくない気持ちもあった。
恋しくて狂おしくて求めても、
大人はそれだけで恋愛できないんだから。
「ユーリ」
「な、んぅ――?」
あっ
声が重なる唇の隙間から漏れ溢れる。
「考えすぎ。ただ素直な気持ちを言えってば」
「年下の癖に命令しないでくださっ――ふぁっ」
首筋を舐められて身体がぞくぞくする。
快楽と恐怖が紙一重で俺の身体に纏まりついてくる。
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