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「「さぁ、貴方はどっち?」」
二人にドーナツを差し出された。
人がデータ入力をしている時に、本当にこいつらは。
苛々しながらも俺が奪い取ったのは――……。
「いいの? 檜山くんしょんぼりしてましたよ?」
「知りません。大体、舐めたドーナツなんて汚い。馬鹿じゃないですか?」
ふんっと鼻であしらうと、滝澤教授はオーバーリアクションで両手を挙げた。
「ツレないねぇ。檜山くんはMなのかな?」
な訳あるか。
あいつは絶対Sだ。
「まぁ、じゃあ久しぶりに君を独り占めしちゃいますか」
教授はサングラスをかけると、黒のスポーツカーの助手席のドアを開いた。
「さ、どうぞ。お姫さま」
「殴りますよ」
乗り込むと、教授から奪い取るようにドアを閉めた。
それに檜山は午後からは部活がある。
ただ構ってほしいだけのパフォーマンスをいちいち相手になんかしない。
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