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海岸沿いに沿って車を走らせながら、日が暮れ始めた茜色の海を眺める。
もはや教授のサングラスは意味を持たない。
「お昼前に出発しませんでした?」
「なんかこの前行った場所のレストランで食事しようとしたんだが、……てへ」
てへ、じゃない。
「『こんがり焼き死体』って映画は隣の市でしかやってなくて。あれ、検査医が死体がよくできてるって言ってたから」
「そんなの俺、見たくないですよ!?」
散々だ。
ずっと座りっぱなしで疲れたって言うのに。
「じゃあ、あそこに入りますか」
チカチカと輝くお城みたいなラブホテル。
じゃなくその隣。
カップルで溢れかえったレストランに車を止めた。
「んー。ラブホ帰りかラブホに行く前のリア充で溢れかえってますね」
「……下品です」
「僕たちも間違われたりしたら、嫌だよねぇ。全く」
じゃあこんな所にしなきゃいいのに。
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