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「誰にもゲイだって言えなかった僕を受け入れて認めてくれたのか彼女だからかな……」
そう言うと、目を伏せて薬指の指輪をなぞった。
ゲイ寄りのバイと公言してはいるが、教授は苦労したのかもしれない。
そして……多分、バイだと言ってるのは奥さんの為なんだろう。
「……君は理解ある親なんだから、素直になりなさいね」
「俺はホモでないです。女が嫌いだから仕方なく檜山と、……その、なし崩しというか、妥協したというか」
「君ねぇ。そんなにツレないと檜山くんも楽な女の子に逃げちゃうよ? あと動揺して砂糖入れすぎ」
気づいたら、珈琲に溶けないぐらい砂糖を入れていた。
「教授はじゃあ今は奥さんの為にもご結婚はされないつもりなんですね」
「息子がうるさいしぃ」
ぶっ
飲もうとしていた珈琲を教授に名一杯かけてしまった。
「あ、ゲイだってカミングアウトしたらお盆と正月しか帰って来なくてさぁ。まぁ彼氏と鉢合わせした時も凄い怒ってたし」
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