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「お前っ 激し、から」
互いの唾液を交換しあうような深いキスに、抵抗する力も抜けていく。
これが骨抜きというならば、本当に悔しい。
「き、スばっかしないで、もっと」
もっと――……。
「もっと?」
そう聞き返されて、自分は何を言おうとしたのか分からず耳まで真っ赤になってしまう。
もっと抱き締めてほしい。
理性なんて、男同士の欲望の前では簡単に崩れていくのかもしれない。
揺さぶられて求めて。
案外、簡単なものなのかも。
「ユーリ?」
黙ってしまった俺に優しく声をかけて顔を覗き込む。
その仕草さえ……好きだなんて思ってしまう。
「抱きたいですか?」
檜山の頬に触れる。
「俺も檜山になら……」
檜山が俺の身体に火をつけるんだ。
怖さより、俺の体を疼かせる。
「お前なら、良いです」
頬に触れて、胸元に顔を沈めた。
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