4235人が本棚に入れています
本棚に追加
/405ページ
「場所もシチュも関係なくねーか?」
煙草の煙を吐き出しながら、このイケメンはそう言い放つが、悔しいぐらいに絵になる。
「まぁそうだけど。加賀くん、小さくて可愛いからな」
「まずは指からだからな……」
ボソッと呟いたその言葉を、俺は聞かなかった事にしようと思うけど。
「うーーん。どうしよう」
――『檜山なら良いですよ』
あの人を冷たい目で拒絶していたユーリが、目を潤ませて、震える指で俺に触れた。
彼が心の傷を抱えているのは分かってたから、無理はさせたくないって思っていたが、
はっきり言って何年も待つ自信はなかったし、
理性がもたない時もあった。
ゆっくり俺を知って、少しずつ分かって貰えたら良いと触れていたのに。
あんなに誘われると我慢なんてできない。
理性が崩されるならば、止まらないのならば、
最高の形で抱き合いたいのだけれど。
最初のコメントを投稿しよう!