20粒 欲情 ー檜山ー

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「場所もシチュも関係なくねーか?」 煙草の煙を吐き出しながら、このイケメンはそう言い放つが、悔しいぐらいに絵になる。 「まぁそうだけど。加賀くん、小さくて可愛いからな」 「まずは指からだからな……」 ボソッと呟いたその言葉を、俺は聞かなかった事にしようと思うけど。 「うーーん。どうしよう」 ――『檜山なら良いですよ』 あの人を冷たい目で拒絶していたユーリが、目を潤ませて、震える指で俺に触れた。 彼が心の傷を抱えているのは分かってたから、無理はさせたくないって思っていたが、 はっきり言って何年も待つ自信はなかったし、 理性がもたない時もあった。 ゆっくり俺を知って、少しずつ分かって貰えたら良いと触れていたのに。 あんなに誘われると我慢なんてできない。 理性が崩されるならば、止まらないのならば、 最高の形で抱き合いたいのだけれど。
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