20粒 欲情 ー檜山ー

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「金持ちはすぐに金に頼るからな」 フッと馬鹿にしたように煙草を灰皿に押し潰す。 「頼るじゃなくて、記念になるなら何でもしてあげたいだけ」 「お前、クソ真面目。んなの損するんじゃねーの?」 2本目の煙草を口にくわえて取り出すと、俺をじろじろ見た。 「未成年だとか教師だとかで、お前の視界が狭いおかげで憂斗は無事だったわけだけど」 ……だからなぜ、そんなに皆、俺が加賀くんを好きだと思ってたんだろう。 「初めてだからだの場所だの、シチュだのんなかたっくるしいのは俺はパス」 「……清人とは意見が合わないんだよなぁ」 確かに俺が形式に拘りすぎかもしれないけど。 でもユーリのトラウマが消えるぐらい甘い最高の時間にしたいんた。 愛してると囁くだけじゃ足りないぐらい。 「大体、日頃からイチャイチャしてれば、んな相手が喜ぶ事、分かるだろ?」 ……分からない。 ユーリは滝澤教授曰く、気位が高い猫だし。
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