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「今日は連絡ないから……来ないかと思ってたんですけど」
そう冷たく言うと後ろを向いた。
けど。
耳が赤いのは風呂上がりなのか俺が来たからか。
「拗ねた?」
「拗ねてません」
「この前の女の子たちを仲直りさせてたんだ」
「俺には関係ありません」
と言いながら、これはかなり拗ねているようだ。
一応律儀にスリッパを出すあたりは、家に上がってもいいらしい。
ペタペタとスリッパの音を立てて二階に上がるユーリを見つめていると、此方を振り替える。
「何してるんですか?」
「じゃ、お邪魔します」
にっこり笑ってそう言うと、タオルを投げつけられる。
「ああ、駄目だよ。まだ髪、濡れてるじゃん」
急いで追いかけると、ユーリの部屋は空いていた。
どうしてそんなに素直じゃないんだろう。
入っていい合図だと理解して部屋に入る。
「ほら、雫が垂れてる。ドライヤーは?」
「髪が痛むから嫌いです」
……可愛い。
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